ブースのご案内/7番地「NA子は今夜も重なる」
7番地、インテリアコーディネーター飯塚奈津子さんと、建築家のKATA DESIGNさんのコラボ出展です。
色の重なりと素材の重なり、そして光の演出
扉の奥にも東京ショーハウスのブースが1つ、ありました。そこはお風呂です。お風呂をどのようにインテリアジャックするのか。リビングやダイニングなどほかの室内と違って、なかなか難しいお題だったのではと思っています。担当デザイナーの飯塚奈津子さんとKATADESIGNのお二人は、「リアルって何?」というお題コンセプトに対して、お互いの脳みそを絞り出しながら徹底的にミーティングを行ったそうです。それで出てきた答えは、リアルとは重なりである、ということでした。コロナ禍で人と会えなくなり、いろんな不便やストレスを感じたけれど、それでも人は時を重ね、言葉を重ね、他人に想いを重ねて生きているではないかと。そんな、重なりをテーマにした、空間インスタレーションとなりました。
格子には障子紙を貼るものだという既成概念がありました。障子紙の代わりに少し目の粗い織物を貼るとこんなにやわらかな空間は出来るのだと、ハっとさせられたのではないでしょうか。1重にした部分、2重にした部分・・・織物の重なり具合で色のグラデーションが生まれています。時間ごとに変化する窓から射す光によって、刻一刻と表情を変えてくれました。
1枚の布である織物を、重ねて格子に貼ったり、切り裂いて集合させたり・・・様々な重ね方をした淡くきれいな色彩がお風呂空間を華やかにしました。
金箔、銅箔、織物・・・バスルームに普通はそのような素材は扱わないのですが、空間インスタレーションならではの楽しい試みだったと思います。箔や織物・・・和室に提案しがちな素材を、和室だけにとどまらずもっといろんな場所に使ってもいいよねと、改めてインテリアの可能性や発想の自由さを思い出させてくれたような展示だったのではないでしょうか!
正面にたてかけていたのは、織物に銅箔を押したアートパネルです。これもまた「重ねる」というテーマに沿って実験的に製作した、異素材同士の重なりの姿。
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リアルとは重なりである
人は離れていても、想いあい、気持ちを重ねることができます。言葉を交わし情報を重ねることでうまれる親密さや信頼感があります。人と人は重なって、重なって、重なりを続けると・・・それはどす黒く濁っていくものだと思いますか?
いいえ。
7番地のインスタレーションが見せた空間は、「重ねても重ねても、色彩は美しいまま、深みを増す」ことを示していました。
リアルもまた、きっと美しいグラデーションの世界なんだと、そんなふうに思えるのです。
7番地もたくさんの方にご覧いただきました。
ありがとうございました!