ブースのご案内/3番地「月光の茶事」
3番地、広島県のインテリアコーディネーター、藤井由理子さんの出展です。
リアルって何?・・・常識にとらわれないこと
夕暮れから行われる茶道のお茶事に夜噺(よばなし)というものがあります。部屋を暖め居心地よく部屋を飾り、懐石、濃茶、薄茶と続くそのシーンごとに設えを変えて、亭主は招待した客を心づくしでもてなします。
普段みせている優しい表情はほんの一部、本当は激しい熱い思いが大部分を占めている。そんな人間の心の内をこの空間で表現したのだと藤井さんは言います。熱い思いを燃え滾るようなゴッホの赤で表し、その中で光る月は癒しとあどけなさも感じさせます。
このブースはキッチンでした。ワークトップの上を茶室とみたて、玉砂利の室外から立礼(りゅうれい)という椅子でお点前をいただくスタイル。「和敬清寂」茶の常識にとらわれずそのままの心で茶を楽しむデザインとなりました。
さて、亭主はどこに?
自由なデザイン
安藤忠雄先生が設計したモダン建築をみんなでインテリアジャックしよう!という試みで、フロアを8つのエリアに区切りました。その中の一つであった、このキッチン。誰もがきっと「どうやってモダンなキッチンをイメージチェンジしようか」と考えたに違いありません。ところが藤井由理子さんは、キッチンをキッチンじゃなくす、というそもそもの発想の転換でお茶室を表現。これはみなさん、なるほどなぁ!と驚いたのではないでしょうか。
うっすらと灯る影絵・・・夜にお越しいただいた方にはしっかりとご覧いただけたかと思います。
お月見をする。そこに本物の月が見えなくてもいいんじゃない?・・・それって非常識でしょうか?
フェイクの月の元に人々が集い、宴に興じる。
常識にとらわれずことを成すことが「リアル」だという、そんなメッセージがこめられているように思います。ご来場の皆様は何をお感じになりましたでしょうか。
3番地、たくさんの方にご覧いただきました。
ありがとうございました!